皆さま、SDGsについては良く耳にすると思います。今日は、皆さんとSDGsについて考えてみたいと思います。
SDGs
トップ画像にあった通り、SDGsは、Sustainable Development Goalsの略号です。エスディージーズと発音します。
2015年の国連サミットで採択されたものであり、2030年までに実現を目指す国際目標です。非常に、実現は難しいものも多く含んでいますが、素晴らしい目標だと思います。
古くは、1997年に採択された京都議定書(COP3)が温室効果ガス削減、ひいては気候変動に取り組む上での国際的に目標を掲げたものがあります。ただ、こちらは気候変動のみにフォーカスしており、発展途上国は数値目標を有さないものでした。ちなみに、米国は批准を拒否したことで有名ですね。
SDGsは環境問題も踏まえて、貧困、格差、資源、食料などの社会問題として大きく捉えた上位互換となります。具体的には、下記の17の目標から成ります。
- 貧困をなくす
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
ちなみに、この17の世界的目標の下に169の達成基準、232の指標があります。下のようなイメージですかね?3階建ての構造です。ちなみに、僕は達成基準までしか見たことがありません。
- 世界的目標(17個) ー 達成基準(169個) ー 指標(232)
詳細は外務省のHPなどをご高覧ください。
まさに、終わりなき旅ということが味わって頂けると思います。問題が刻一刻と複雑になっていきます。それらを解決しようとすると、それぞれに対する個別対応も重要なのですが、それが難しい状況になっているものだと思います。
こういう現実に即すると、アインシュタイン博士が述べたと言われる下記の名言が常に頭によぎります。
”私たちが直面する重大な問題は、私たちがそれを生み出したときと同じレベルの考え方では解決できない。”
皆さんも、研究開発をされているとこの言葉が響くことがありませんか?問題は先送りにすると碌なことがありませんね。皆さまはそのようなことが無いようにしてください。僕も気を付けています。
さて、話をSDGsに戻しましょう。上記のような考えが働いたのか、地球環境問題、貧困問題、食料水問題、社会問題全てにフックをかけて解決しようという大胆な試みですね。これは、人類すべてのベクトルを合わせる点で素晴らしい発想ですね。
人口動態
これについては、業態や海外比率に応じて取り組むべき比率は変わると思います。これについて述べるのは社外秘にかかわるので止めておきましょう。
ただ、絶対に取り組まなければならない共通課題は下記だと考えています。
- ジェンダー平等を実現しよう
- 働きがいも経済成長も
- パートナーシップで目標を達成しよう
特に、女性が働ける環境と働き続ける環境は必須です。個人的には、これをどのように実現させるかが鍵と言っても過言でないと思います。その理由は、皆さまご存じだと思いますが、労働力人口の低下です。
下記に総務省の日本の人口動態を引用しました。
(出典)2010年までは国勢調査、2013年は人口推計12月1日確定値、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果
皆さん、ご存じだと思いますが、グラフで示されるとかなりインパクトがありませんか?ちなみに、未来予測において人口動態だけはほぼ予測通りになる指標と言われています。まあ、一番予測しやすいですからね。
日本の産業は男手だけでは不足していきますので、女性にも活躍してもらう必要があります。高齢者にも活躍してもらう必要があります。さらに、省力化を進めるべく、DX(Digital Transformation), AI(Artificial Intelligence), IoT(Internet of Things)が必要になる訳です。もちろん、それらができる土壌がそろったという事実もある訳です。
いつ、定年が来るのでしょうか?まあ、社畜にとっては働かなくなったら負けかもしれません。
女性
職種によるのかもしれませんが、研究開発において女性が男性と同じように働くのは存外難しいところがあります。危険なことはさせられない、腕力や体力が要するものは任せにくいなど。職種によっては、意外と出来ない作業があるガテン系なところがあると思います。僕のところはあります。
それらを分担して割り振ると、均等にするということが思いのほか難しいのです。一度、決めてもなかなか定着しない。実担当同士で決めてくれると良いのですが、それも難しいところがある。ジェンダーフリーは遠くです。
もし、女性の方が見ていたら、「思ったことやこうしたら良いのに」という声を上げてくださいね。男職場で意見を言いにくくしている人が多いような印象を受けます。女性が働きやすい職場を作ろうと皆、努力していると思うので、是非助けてあげてください。
働きがい
経済成長はさておき、働きがいはとても大事な視点です。とても大事です(大切なことなので2回言いました)。
このサイトを作った理由でも述べたのですが、働くことが苦痛になっている人が多くなってしまっているように感じます。これは、大きな損失だと感じています。
例えば、ここ数年でFIRE(Financial Independence, Retire Early movement)が流行しているようです。会社から経済的に独立するという思想は素晴らしいと思います。何があるか分かりませんし、僕もそうした観点で10年以上投資を続けています。それは、不慮の事態と資産の最大化を図ることが目的です。
ただ、今の会社が嫌で辞めたいからFIREの準備をするという意見を見ると悲しく感じます。やりたいことがあって辞めるのは良いことだと思います。今の会社が嫌だったら、ぜひ転職活動をしてみて下さい。今までの自分のキャリアを棚卸したり、転職エージェントとの意見交換、他社の面接などで得られるものが多々あります。実は、僕も数年前に転職活動を実施したことがありましたが、とても有意義でした。いろいろあって会社に残ることを決意して今に至ります。
人それぞれで、自分に合う会社がきっとあるはずです。
ただ、会社を見てて感じることはやりがい搾取が進んでいるのではと感じます。これは、とても根の深い問題ですね。仕事をやる人、できる人に集中してしまい、働かない人はさらに働かなくなり、これが悪循環となって、仕事をやる人を潰してしまう。こうしたことが、日本企業で今でも起こっているように感じています。少なくとも、僕の会社では日常茶飯事です。
これは、上位者の仕事の考え方や配分の仕方で工夫できると思います。僕自身は、大半このバランスを取ることに時間をかけています。こうした悪循環を皆で断ち切るように行動しましょう。
こうした古い習慣は日本人特有のところがあります。まず、己を知る努力を進めて下さいね。下記に関連記事を載せておきますので、もしまだお読みでなければご一読下さい。
パートナーシップ
最後のパートナーシップについてですが、とても大事なキーワードです。複雑で多岐に渡る問題は、一般的に一人では解決できないことが多く、協力者が必要です。それが、パートナーシップですね。グループが存在するのも、パートナーシップを発揮するシナジーを期待してのものであることが多いです。人と人の助け合い、それが基本だと思います。
さらに枠組みを広げると、自社内の他部門との協力。これも社内のパートナーシップですね。利害関係がぶつかって、社内調整が難しくありませんか?自部門さえ良ければいいと思っていませんか?WIN-WINは絵に描いた餅でしょうか?
上位者がビジョンを持っていないと、上記のようになりがちですね。すみません、自社のことを愚痴ってしまいました。
最後に、他社とのパートナーシップですね。オープンイノベーションなんて横文字も使われていますね。自社内がオープンでないのに、他社とオープンにはならないだろと常日頃感じています。僕だけではないと思います。これに賛同する人が少なくなった頃が、パートナーシップが発揮された時なのでしょうね。
そうなる日を夢見て、コツコツ頑張りましょう。
最後に
日本の製造業に共通したSDGsのポイントについて皆さんと考えてみました。日本企業でイノベーションを起こし続け、現在も活躍されている方でオムロン株式会社の竹林さんという方がいらっしゃいます。尊敬する日本のイノベーターです。この方がSDGs18番を作成して、みんな楽しくみんな笑顔でを掲げています。SDGsって、マイナスをゼロに持ってくるというニュアンスが多くて、個人的にはいまいち好きになれないんですよね。でも、竹林さんのSDGs18番目はとても腹落ちしました。
18.みんな楽しくみんな笑顔で
日本で一番足りていないSDGsはまさにこれだと個人的には考えています。
竹林さんのYouTubeリンクを下記に貼っておきます。非常に面白い切り口で色々な話が展開されていきます。社内に尊敬できる人が少ない方は、社外でも良いので尊敬できる人を探してみて下さい。こういった動画が無料で見られる現在はとても恵まれていると先人に感謝しています。
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